主要ニュース
- ビットコイン 最高値更新 英で上場商品許可
- 米ニューヨーク連銀 長期インフレ期待が上昇
- 米オンライン掲示板がIPO計画 2024年最大規模
ビットコインが過去最高値を更新
ビットコインの価格が72,000ドルを突破し、過去最高値を更新しました。この上昇は、イギリスの金融行動監視機構(FCA)が暗号資産ETNの上場を許可したことが背景にあります。このETNはプロの投資家のみが取引可能で、ロンドン証券取引所が4月から6月の期間に申請受付を開始します。
米ニューヨーク連銀が消費者調査を発表
2月の消費者調査では、1年先の期待インフレ率が3.04%とほぼ横ばいで、3年ぶりの低水準を維持しています。しかし、3年先と5年先の期待インフレ率は1月から上昇しており、ガソリン価格の上昇と家賃の低下が見られました。
レディットがIPO計画を発表
アメリカのオンライン掲示板であるレディットが、最大7億4,800万ドルのIPOを計画していることがSECへの提出書類で明らかになりました。レディットと株主は2,200万株を1株31ドルから34ドルで売却する計画です。これは2024年最大の上場案件になる見通しです。
市場見通し
NY市場リポート:米CPI下げ止まりとFRB資金供給策停止の影響
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLC堀古英司氏
米国CPIの下げ止まりに警戒
週明け11日のニューヨーク市場は上昇と下降の混在。AIや半導体セクターの続落が目立つ中、ダウは上昇に転じました。注目されるのは、今夜発表予定の2月の消費者物価指数(CPI)。
新型コロナの感染拡大に伴い、CPIは一時前年比9.1%まで急上昇しましたが、その後低下しています。しかし、住宅関連コストの上昇率が下がらなくなっており、CPIと民間の家賃指数が3%台半ばで下がらなくなっている状況に警戒が必要だと堀古氏は指摘していました。
債券市場では、2年物が2.7%、5年と10年がそれぞれ2%の利回りで、インフレ率を織り込んでいますので、インフレ率が3%台半ばで下方硬直的になれば、最低利回りは現在よりも0.5から1%上昇する可能性があると警告しています。
FRB資金供給策の停止とその影響
FRBが銀行への資金繰り支援策の「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)を停止する。」この異例の措置は、シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに導入されたが、プログラムの利用残高が導入後最高に近い状態にあることから、銀行全体がまだストレスを抱えていることが示されています。
本日11日をもって新たな貸し出しは終了し、既存の貸し出しは1年間継続される。金融システムへの影響は低いとされるものの、個別の銀行では危機がくすぶっており、特に地方銀行においては危機が表面化しやすくなる可能性があると堀古氏は分析しています。
地銀株は、危機前の水準には戻っていない状態で、BTFPの停止が一部の銀行には依然として大きな影響を及ぼしていることを示唆していました。
株価見通し
解説は野村アセットマネジメント石黒英之氏
注目ポイントは日本株上昇のカギを握るROEに焦点を当てた展望
世界各地の株価動向が注目される中、日本株の今後の動きについて、野村アセットマネジメントの石黒英之氏の見解を紹介します。
昨日の東京市場と今日の見通し
昨日の東京市場はTOPIXが2%以上の大幅下落を記録しました。日銀がETFの買いを見送ったこともあり、金融政策正常化への思惑が強まる状況です。石黒氏は、今日も投機的な売りが優勢となり、マイナス圏での推移が予想されると述べています。
日本株上昇の鍵、ROEの重要性
日本経済の好循環が期待される中で、企業が利益確保のために価格を上げることができる環境が整っています。石黒氏は、この環境が企業の利益改善につながり、日本株上昇の大きな要因になっていると指摘します。また、株式の持ち合い解消や自社株買いなど、資本効率の改善に向けた動きも日本株上昇を後押ししていると言えます。
ROE拡大の影響
石黒氏によれば、主要株価指数のROEとPBRの関係を見ると、日本企業のROE拡大がPBR面で中国を逆転し、最下位から脱出したことがわかります。今後もROEの拡大が続くかどうかが、日本株の先行きを見る上で重要になると述べています。
海外投資家の日本株に対する姿勢
海外投資家の日本株に対する姿勢は、日本企業のROE動向に連動していると石黒氏は言います。近年、海外株と比べて日本株の稼ぐ力が劣っていましたが、最近は日本企業のROEが着実に改善してきており、これが海外投資家の買いにつながっているとのことです。アベノミクスのピークと比べると、現在の海外投資家の日本株の持ち高はまだ少ない状態にあるとし、海外勢の日本株への買い余地は依然として大きいと見ています。
日経平均の将来の見通し
石黒氏は、1年後の日経平均の1株当たりの純資産を2万8000円と推計し、日本企業のROEが現在の9%から、インフレと企業改革により10%まで拡大すると予想しています。これにより、2025年3月末の日経平均株価が4万7000円を超える展開も十分あり得ると見ています。
為替見通し
解説はバルタリサーチ花生浩介氏
雇用統計後、為替市場における三つの重要な注目点
先週発表されたアメリカの雇用統計から読み解く、今後の為替見通しについて、バルタリサーチの花生浩介氏の解説です。
雇用統計の指標性の低下と市場への影響
まず、花生氏は雇用統計の指標性について言及します。「正直、強弱まちまちであった雇用統計ですが、全般的にNFP(Non-Farm Payroll、米国非農業部門雇用者数)の下げ止まりの印象が強い」と指摘。しかし、金利の低下にもかかわらず、これが市場に織り込まれつつあるとの見解を示しました。
金価格の推移とその示唆するもの
次に、最近の金価格の動向に注目します。3月に入ってからの金価格は急騰しており、これがアメリカの金利低下を先導した昨年の動きに似ていると花生氏は言います。「今後の金価格の動向には十分注意が必要」と上昇トレンド継続中の金価格にも注目ですね。
FRBの夏場の利下げ確率の高まり
そして、米連邦準備制度理事会(FRB)の夏場に向けた利下げ確率の高まりを指摘。「雇用統計にも関わらず、6月の利下げ予想が上昇している」と説明します。この点は、今後のインフレ指標に大きく依存するとしつつも、FRBが着実に動き始めた可能性を示唆しました。
ドル円の見通しと日銀の動向
最後に、ドル円の今後について花生氏は、「年明け以降のアメリカの金利上昇が一服すれば、ドル円は徐々に重くなる」との見通しを示します。しかし、日本銀行の金融正常化に対する姿勢は未だ不透明。マイナス金利の早期解除に関する思惑にも関わらず、円安抑制効果は一過性に終わる可能性が高いと予測しています。
花生氏によると、3月のドル円レンジは145円から150円を予想。今後の為替市場は、上記の三つの注目点を踏まえつつ、慎重に見極める必要があるとのことでした。
世界経済のデカップリング【プロの眼】
解説は新潟県立大学の中島厚志氏。
米中対立の激化や地政学リスクの高まりを背景に、世界経済のデカップリングが進行している状況が指摘されています。2010年代後半から、特にトランプ政権下で米中間の摩擦が生じ始め、貿易と投資における制限措置が増加しています。これにより、グローバル化への支障が顕在化しています。
アメリカは、対外投資規制を強化し、中国企業へのアメリカ先端技術のアクセス制限を進めています。これらの動きは、世界経済の分断、すなわちデカップリングを加速させていると考えられます。
具体的なデータとして、中国への対内直接投資や輸出のシェアが減少している傾向があります。特に、対内直接投資は激減し、中国経済の不振や不動産不況も影響しているとされます。これらの傾向は、デカップリングの進行を示唆しています。
一方で、中国とロシアの輸出シェアは減少しており、アメリカ、EU、日本などの貿易が回復しています。また、グローバルサウスの国々(インド、メキシコ、ベトナムなど)が中国に代わって輸出割合を増やしています。
デカップリングの進展は、世界経済へのマイナス影響をもたらす可能性があります。輸出と直接投資の減少は、世界経済の成長に悪影響を及ぼすと分析されています。特に、世界貿易の縮小は、グローバル経済にとって大きな打撃となる可能性が高いです。
今後の世界経済について、主要な国際機関は3%前後の成長を予測していますが、デカップリングの影響が織り込まれた予測ではありません。デカップリングが進行する場合、成長率はさらに下方修正される可能性があります。
日本企業は、リスク分散とグローバルサプライチェーンの組み替えにより対応することが重要です。生産の国内回帰には限界があるため、新たなリスクが少ない国への組み替えを模索することが求められます。TPPへの新興国の参加など、経済的枠組みを共有することで、グローバルサプライチェーンの再構築がしやすくなると考えられています。
ハイテク株に続くアメリカ株市場の物色動向【アメ株Update】
解説は大和証券の柴田光浩氏
アメリカ株市場のけん引役であるハイテク株に次ぐ物色の動きが消費関連銘柄に広がりそうです。
FRBの利下げ期待や経済の堅調な見通しを背景に、マーケットの早期の利下げ期待も修正されている中、消費銘柄や景気敏感株への注目が高まっています。
注目銘柄:コストコ
- 会員制を基にしたビジネスモデルで、プライベートブランドの開発と商品選択の絞り込みにより、割安な価格での販売を実現。
- 第2四半期の既存店売上高は5パーセント台のプラスで、良好な業績。
- 会員数と店舗数は過去10年間で右肩上がりに成長し、世界全体での会員継続率は90%を超えている。
注目銘柄:ルルレモン・アスレティカ
- 健康志向の高い女性や比較的所得の高い層に支持されるスポーツアパレル小売業者。
- ヨガウェアからゴルフやテニス、ハイキング向け商品への製品ラインナップ拡充を進め、2022年にはシューズの展開も始めた。
- 男性向け商品の拡充も進めており、成長が期待されるが、新しいブランドの登場や顧客の支持を維持できるかがポイント。
柴田氏は、アメリカの消費が堅調であればこれらの企業が恩恵を受けると考えており、特にコストコのような小売業はアメリカ消費の好況を反映する可能性が高いと指摘してます。