本日のトピック
1.米消費者心理は安定
ミシガン大学の消費者信頼感指数は76.5で、市場予想に反して少し下がりました。しかし、消費者は現在の経済状況についてほとんど変化を感じていないと調査員は述べています。
2.米製造業景況感が悪化
ニューヨーク連銀の製造業景気指数はマイナス20.9で、市場予想よりも悪化しています。新規受注が大幅に減少し、出荷や雇用も下がっています。しかし、6ヶ月後の見通しはわずかに上昇しています。
3.中国マネーで金高騰、上昇続く?
ニューヨークの金先物価格は過去1ヶ月で約8%上昇し、過去最高値を更新しました。専門家は、この金価格の上昇背景には中国の投資があると指摘しています。
中国の投資家は一度金を買うとほとんど売らない傾向があり、これが金価格を押し上げる一因となってるからです。
さらに、アメリカの利下げが始まると、金価格はさらに上昇すると予想されていますが、トランプ前大統領の再選リスクが金価格の下落要因となる可能性も指摘されています。
ニュースの要約
米国の消費者心理は安定しており、経済状況に大きな変化は感じていないとのことです。
一方で、製造業の景況感は悪化しており、新規受注や出荷、雇用が減少していますが、6ヶ月後の見通しはわずかに上昇しています。
また、金価格は過去1ヶ月で約8%上昇し、過去最高値を更新しました。これは主に中国の投資家が金を買い続けているためで、アメリカの利下げが始まると、金価格はさらに上昇すると予想されています。
しかし、トランプ前大統領の再選リスクが金価格の下落要因となる可能性も指摘。
【為替見通し】2024年後半に注目! 中国の動きが世界の為替市場に与える影響
解説は両備システムズの鈴木恭輔氏
鈴木さんの予想レンジ:1ドル148.60~149.60円
【はじめに】
2024年後半の為替市場は、中国の経済政策とその動きが大きな焦点となりそうです。
【中国経済の現状】
近年、中国経済はデフレリスクに直面しています。デフレとは物価が持続的に下落する状態を指し、これが経済成長を妨げる一因となっています。
2024年2月の消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回りましたが、これは春節(旧正月)の影響と見られ、一時的なものに過ぎません。輸出に大きな影響を与える消費税価格は引き続き低迷しています。
【中国政府の対策】
このような状況に対応するため、中国政府は金融緩和政策を採用しました。具体的には、2月5日に銀行の預金準備率を0.5%、2月20日には5年以上のローンプライムレートを0.25%それぞれ引き下げました。
しかし、これらの措置による人民元の価値に大きな変動は見られず、過去3年間で人民元が高値を維持していることが明らかになりました。
【2024年後半の展望】
2024年後半に向けて、米国連邦準備制度理事会(FRB)が予想通り利下げを開始すると、中国経済の動向が為替市場に大きな影響を与えると考えられます。
米国の金利低下がドル安を引き起こし、人民元の価値上昇圧力が高まる可能性があります。中国がさらに積極的な金融緩和策を取ることが予想されるため、為替相場に与える影響を見極めることが重要です。
【為替市場への影響】
もし中国が年後半に積極的な措置を取った場合、人民元は7%から10%程度下落する可能性があります。これは、米中の金利差と為替レートの現在の乖離が修正されることによります。
また、このような動きは米中間の政治的緊張を高め、リスク回避的な円買いを誘発する可能性もあるため、ドル円相場にも7%から10%の影響があると考えられます。
【株価見通し】長期積立投資の元本割れリスクを理解しよう
解説はニッセイ基礎研究所の井出真吾氏
井出さんの予想レンジ:3万8500円から3万9000円
【はじめに】
投資と聞くと、多くの人が高いリターンを期待しますが、それにはリスクが伴います。特に長期的な積立投資を考えている方々にとって、元本割れのリスクは大きな関心事です。今回はそのリスクについて、ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の解説をもとに紐解いていきます。
【リスクとリターンの基本】
まず、リスクとリターンの基本概念から見てみましょう。一般に、リターンは投資した金額に対する利益の割合を、リスクはそのリターンの変動範囲を指します。
例えば、オルカンやS&P500を基準にすると年率リターンが6%でリスクが年率18%になります。
リターンが年率6%だと、100万円投資すれば1年後には平均106万円になりますが、リスクが年率18%の場合、その範囲は106万円を中心に18万円の変動幅があるので、88万円から124万円となり得ることを意味します。
【長期投資のリスク】
短期間で見ると、リスクはリターンを上回る可能性が高いです。しかし、長期にわたるとリスクの増加率はリターンの増加率よりも低くなります。
これはリスクが時間の経過と共に平方根で増加するためです。10年後のリスクは1年後リスクである18%の約3.2倍にしかなりません。つまり、長期投資ほどリターンの方がリスクを上回る可能性が高くなるのです。
【積立投資の元本割れリスク】
積立投資の場合、元本割れのリスクは一括投資とは異なります。投資開始から時間が経過するにつれて、投資された資金のリスクは減少しますが、毎月追加される投資分については、まだ高いリスクが残ります。
その結果、10年後の積立投資では約17%の確率で元本割れする可能性がありますが、20年後にはその確率は5%まで低下します。これは、長期にわたって積み立てることでリスクを分散し、元本割れの可能性を大幅に減らすことができることを意味します。
【まとめ】
株式市場は短期的には大きな変動があるものの、長期的な視点で見るとその波を乗り越えることができる可能性が高くなります。
特に積立投資の場合、継続することでリスクを抑えつつ、資産を増やすことが可能です。投資においては、目先のリスクに惑わされず、長期的な視野を持つことが重要ですね。
【モーサテサーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
調査期間 | 3月15日から17日 |
回答数 | 37人 |
調査方法 | インターネット経由 |
- 中央値: 3万9000円
- 先週末終値から: 約300円上昇
個別の見解
大和証券の壁谷さん
- 予想: 3万9200円
- 理由: 日銀のマイナス金利解除は織り込み済み。5%超の賃上げがインフレ経済への移行を示唆し、海外投資家の買いが期待される。
楽天証券経済研究所の香川さん
- 予想: 3万8400円
- 理由: アメリカの長期金利上昇、半導体株の調整、年金のリバランス売り、中銀ウィークを背景に上値が重い。
- 中央値: 148円50銭
個別の見解
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野さん
- 予想: 148円
- 理由: 日銀のマイナス金利解除やFRBの金利据え置きは既に織り込み済み。お彼岸前後の3月期末に伴う海外利益の帰還で上値が重い。
福岡フィナンシャルグループの佐々木さん
- 予想: 152円台
- 理由: 日銀のマイナス金利政策解除後の困難とFRBの早期利下げの難しさを市場が認識し、ドル高円安が加速すると予想。
二重リスクから読む 日本株投資【プロの眼】
解説は楽天証券経済研究所の田中泰輔氏
【はじめに】
投資においてリスクとリターンは表裏一体です。楽天証券経済研究所の田中泰輔氏によると、特に日本株投資には「二重のリスク」が存在します。
しかし、これらのリスクを理解することで、投資戦略をより賢く立てることができます。
【二重リスクとは】
二重リスクとは、為替変動と市場の変動の2つのリスクが重なることを指します。国内投資ではこの二重リスクが少ないですが、例えば米国株を持つ場合、株価の変動に加えて為替の変動もリスクとして加わります。このため、外国資産に投資する場合は、リスクが高くなりがちです。
【日本株の特異性】
日本株に関しては、一見すると二重リスクが少ないように見えますが、実際には米国株の動向と為替の影響を受けやすいため、独自の二重リスクが存在します。
米国株の動きやドル円相場に左右される傾向があり、これらが日本株にも影響を及ぼすことが多いことが挙げられます。
1.米国経済との連動性
アメリカは世界最大の経済体であり、その経済活動は世界中の市場に影響を与えます。日本株も例外ではなく、アメリカの株式市場が大きく動くと、それに伴い日本株も影響を受けることがよくあります。
例えば、アメリカの株式市場が好調であれば、その好況感が日本市場にも波及し、日本株も上昇することがあります。逆に、アメリカ市場が下落すると、日本株にも悪影響を及ぼす可能性があります。
2.為替の影響
為替レート、特にドル円相場は、日本株に直接的な影響を与えます。円がドルに対して強くなる(円高が進む)と、輸出企業の収益が圧迫されるため、日本株にとってはマイナス要因となります。
一方、円安に進むと、輸出企業の収益見通しが改善し、日本株が上昇することが期待されます。このように、為替レートの変動は、特に輸出企業が多い日本の株式市場に大きな影響を及ぼします。
【サイクルで見る日本株】
田中氏は、金利と株価の関係、および為替の動きをサイクルとして解説しています。基本的には、金利が高いときには株価が下がり、金利が低いときには株価が上がる傾向にあります。
また、金利の動向は為替にも影響を及ぼし、これが日本株に影響を与えます。このサイクルを理解することで、日本株の動きを予測しやすくなります。
【投資戦略のポイント】
日本株投資においては、米国株の動きと為替の影響を考慮することが重要です。米国株が好調で、円安傾向にある時は日本株も好調になりやすいですが、その逆の場合はリスクが高まりますので、これらの動きを見極め、適切なタイミングでの投資やリスク管理を心がけるべきです。
【まとめ】
二重リスクの概念を理解し、適切に対処することで、日本株投資のリスクを管理しながらリターンを追求することが可能です。
米国株の動向や為替の変動に注意を払い、長期的な視点での投資を心がけることが、賢い投資戦略の鍵となります。
新NISA 国内REIT投信の活用術【みんなの今どき資産形成術】
ゲストは、R&I格付投資情報センターのチーフアナリスト岡忠志氏。
【はじめに】
不動産投資信託(REIT)は、不動産への投資を通じて収益を得る一方で、投資家に分配金を提供する投資商品です。国内REIT市場は、世界的に見てもアメリカに次ぐ規模を誇り、多様な不動産に分散投資することが可能です。
【国内REIT市場の現状】
日本では58銘柄のREITが上場しており、その時価総額は約14.5兆円に達しています。オフィス、物流、住宅、商業施設など、様々なタイプの不動産への投資が可能で、特に総合型REITが市場の半分を占めています。
【パフォーマンスとリスク】
2003年からの21年間で、国内上場REITのリターンは年率7.1%であり、国内株式の8.1%に近いパフォーマンスを示しています。
しかし、リーマンショックやコロナショックのような大きな経済危機時には、株式と同様に価値が下落する可能性があります。
【分散効果】
REITと株式は収益の源泉が異なるため、REITをポートフォリオに加えることで分散効果が期待できます。相関係数は0.5程度となり、相関係数が1に近づくほど相関が高いということなので、REITの投資によりリスク分散を図ることが可能です。
【利益の分配】
国内REITは、得た利益の90%以上を分配金として支払うことで法人税が免除されます。そのため、分配金利回りは高く、投資家にとって魅力的な選択肢となります。
【新NISAでの投資選択肢】
新NISAの枠内でREITに投資する場合、バランス型投信の一部としてREITを組み入れるか、REITの個別銘柄やETFへ直接投資するかが選択肢となります。ETFでは15本の国内REIT関連商品があり、分散投資や特定セクターへの投資が可能です。
【個別銘柄への投資】
個別のREIT銘柄への投資は、銘柄選択によってリターンに大きな差が生じるため、リスクが伴います。一方で、ETFや投資信託を活用することで、分散効果を享受しつつ、REIT市場への投資が可能です。
【まとめ】
国内REIT市場への投資は、分配金利回りが高く、分散効果を期待できる一方で、個別銘柄選択にはリスクが伴います。新NISAを活用し、自分のリスク許容度に合わせた投資信託やETFの選択が賢明ですので、投資は自己責任で、慎重に行うことが大切です。