主要ニュース
1. スイス中央銀行が政策金利を0.25%引き下げ、主要中銀で初の利下げに踏み切る。
2. イギリス中央銀行は政策金利を据え置くが、将来的な利下げの可能性を示唆。
3. 米国の中古住宅販売件数が予想を上回る増加。住宅供給の改善が需要を満たしている。
4. オンライン掲示板のレディットがニューヨーク証券取引所に新規上場。
5. JALグループが新型機を購入し、国際線事業を1.4倍に拡大する計画を発表。
ニュースの要約
世界経済の動向と各国の金融政策に注目が集まっています。スイス中央銀行は、主要国の中央銀行で初めて政策金利を引き下げました。
これは、スイスでのインフレ鈍化傾向を受けての決定です。一方、イギリス中央銀行は金利を据え置きましたが、将来的な利下げの可能性を示唆しました。
アメリカでは、中古住宅販売件数が予想を上回る増加を見せ、住宅市場の回復の兆しが見られます。これは、住宅供給の改善が需要を満たしているためと考えられます。
オンライン掲示板のレディットがニューヨーク証券取引所に新規上場し、初値は公開価格を上回りました。レディットは広告収入を主な収入源とし、1日あたりの平均利用者数は7,300万人を超えています。
日本では、JALグループが新型機を購入し、国際線事業を1.4倍に拡大する計画を発表しました。これは、コロナ禍後の旅客需要の増加を受けての決定です。同社はまた、2025年度の利益目標を上方修正しました。
これらのニュースは、各国の経済状況や企業の戦略的な動きを反映しており、今後の世界経済の動向を占う上で重要な指標となるでしょう。
【NY市場リポート】米株式相場の上昇は続くのか?
21日のニューヨーク株式相場は、主要3指数(ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数、S&P500種株価指数)すべてが最高値を更新しました。
個別銘柄では、半導体メーカーのマイクロンテクノロジーが市場予想を上回る決算を発表し、株価が大幅に上昇。これに伴い、半導体関連株全体が買われる展開となりました。
解説は明治安田アメリカの長谷川悠貴氏
長谷川氏は、4月は過去30年間のデータを見ても株式市場のパフォーマンスが良い傾向にあると説明しました。
理由としては、確定申告で還付された資金が株式市場に流入することや、1-3月期の企業決算発表が好感されやすいことなどが挙げられます。
ただし、現在の株価バリュエーション(株価評価指標)は割高感が出てきているとのこと。
特に株価収益率(PER)は直近1年間で上昇しており、株式の割安感が薄れています。高いバリュエーションで取引されている銘柄は、今後の決算発表で株価が下落するリスクがあるため注意が必要だと述べました。
動画配信大手に期待感 Netflixは好調、Disneyは黒字化に期待
米国の動画配信市場を代表するNetflixとDisneyの株価が堅調に推移しています。年初からの株価リターンは両社ともにS&P500種株価指数を大きく上回る約29%の上昇率となっています。
Netflixは、定額制動画配信サービス(SVOD)の加入者数が順調に増加していることや、一部の地域で料金の値上げを実施したことが好感されています。加えて、アカウントの共有対策や広告付き安価プランの導入により、更なる収益拡大が期待されています。
Disneyのストリーミング事業は、サービス開始以来赤字が続いていましたが、直近の決算では赤字幅が縮小しました。経営陣は、2023年7-9月期には黒字化する見通しを示しており、今後の業績改善に期待が高まっています。ただし、競合のNetflixと比べると、利益率では劣後するとみられています。
【為替見通し】ドル高・円安に振れる展開か
解説は大和アセットマネジメントの亀岡裕次氏
- ドル円予想レンジ:151.20~152.00
- 注目ポイント:為替の金利差離れを生んだ要因
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドル安が一巡し、米国の経済指標が市場予想を上回る結果となったことから、足元のドル円はドル高・円安方向に振れています。
亀岡氏は、本来なら日米の金利差に応じて為替レートが決まるところ、最近はその関係性から乖離が生じていると指摘。つまり、為替が金利差から離れた動きをしているということです。
なぜ最近のドル円は日米金利差という従来の指標から乖離しているのでしょうか?
亀岡氏は、リスクオンムードにある市場が円安圧力を生んでいると指摘しています。つまり、リスクを取る姿勢が強まると、投資家はより高いリターンを求めて円を売り、ドルや他の資産を買う傾向にあるのです。
リスク選好の背景にはエコノミック・サプライズ指数(経済指標の予想との差を示す指標)の上昇があるとのこと。この動きが、ドル円を金利差だけでは説明できない高い水準へと押し上げているのです。
これからの為替はどうなるのでしょうか?
近期に発表された米経済指標は予想よりも弱い内容であり、これが米金利の低下を招き、リスクオンムードが弱まる可能性があります。その結果、ドル安・円高に傾く可能性が高いと亀岡氏は見ています。
【株価見通し】日本株は「デフレ脱却」を織り込む展開に
解説は岡三証券の松本史雄氏
- 日経平均予想レンジ:40,600~41,100円
- 注目ポイント:デフレ脱却を織り込んだ日本株式市場
アメリカ株の高騰と円安進行の背景から、4万1000円のトライを予想。ただし、自社株買いの抑制期間入りと先週の株価上昇による過熱感から、上値追いには注意が必要との見方を示しています。
日本銀行は今週の金融政策決定会合で、2%の物価目標を「持続的かつ安定的に」達成できる見通しが立ったとして、長年続けてきたマイナス金利政策を解除しました。
松本氏は、消費者物価指数(CPI)と東証株価指数(TOPIX)の関係性を分析。過去のデータでは、CPIが上昇するとTOPIXも上昇する傾向があり、現在の株価水準は、9カ月から1年先の物価上昇を織り込んでいる可能性が高いと説明しました。これは、当面の物価上昇が市場に先取りされていることを示しています。
ただし、今後は円高の進行によって、輸入物価の下落を通じて物価上昇圧力が弱まるリスクがあると指摘されていました。
さらに、円安によるインバウンド需要の好調が支えているサービス価格にもマイナス影響を与えかねません。つまり、投資家からの視点で企業業績の見通しに対する不透明感が高まれば、株価の上値は重くなるとの見解を示しました。
アメリカの景気堅調が株式市場に安心感をもたらしている現状ですが、円高に対する警戒を怠らないことが重要です。デフレ脱却の動きと円高進行の可能性を踏まえ、慎重な投資判断が求められます。
【プロの眼】日銀が金融政策を大幅に変更!あなたの生活や投資にどう影響する?
野村証券の森田京平氏が解説します。
- 注目ポイント:日銀の政策運営 2024年追加利上げ 2025年据え置きへ
先日、日本銀行がこれまでの金融政策を大きく変更すると発表して話題となっています。具体的には、長期金利の上限を撤廃したり、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)の買い入れを終了するなど、市場にとってはある程度予想されていた内容です。
でも、私たち一般の人にとっては、これらの変更がどういう意味を持つのかピンとこないですよね。実は、今回の政策変更で最も重要なのは、日銀が「フォワードガイダンス」という将来の政策運営の指針を撤廃したことなんです。
フォワードガイダンスがなくなるということは、日銀があらかじめ政策の方向性を示さなくなるため、市場参加者は経済指標をより注意深く見守り、自分で将来の金融政策を予測しなければならなくなりますので、企業の投資計画や個人の資産運用にも影響を与える可能性があるのです。
今年10月に短期金利の指標であるコールレートを現在の0〜0.1%から0.25%に引き上げると予想しています。その理由は、2025年半ばまで消費者物価指数(CPI)が2%を超えて推移すると見込まれるからです。ただし、これはあくまで緩和的な金融政策の調整の範囲内だと氏は説明しています。
翌年の2025年については、賃上げ率の鈍化やドル安・円高の進行など、日本経済にとって厳しい状況が予想されるため、追加の利上げはなく、政策は据え置きになると森田氏は予想しています。
これからの日本銀行の金融政策は、経済指標と市場動向を注視しながら、慎重に運営されていくでしょう。私たち個人も、金利変動が借入れや資産運用に与える影響を考えつつ、賢明な判断を下していく必要がありそうです。日銀の動向から目が離せませんね!