モーサテ 3/5

主要ニュース

EU、アップルへの制裁金を科すとの発表

ヨーロッパ委員会は、音楽配信市場における競争阻害行為があったとして、アップルに対し約2,900億円の制裁金を科すことを決定しました。

これにより、アップルは自社のアプリ市場である「アップストア」外の音楽配信サービスへの切り替えを妨害したとされています。

暗号資産「テザー」の時価総額突破

「テザー」と呼ばれる暗号資産の時価総額が初めて1,000億ドルを超えました。

テザーは、アメリカドルなどの法定通貨と1対1で価格が連動するステーブルコインで、暗号資産取引の決済手段として広く使用されています。

トランプ氏の出馬資格認定

米連邦最高裁判所は、トランプ前大統領の次期大統領選挙への出馬資格を認めました。

これは、コロラド州の裁判所がトランプ氏の資格を否定した判決を覆すものです。トランプ氏はこの決定を受け、国の団結に貢献すると評価しています。

NYマーケットの動向

ニューヨーク株式市場は、3日ぶりに反落しました。

  • ダウは97ドル安の38,989ドル
  • ナスダックは67ポイントマイナスの16,207
  • S&P500は6ポイントマイナスの5,130で終了。

特に大手ハイテク銘柄の下落が目立ちました。Appleは、EU委員会による約18億ユーロの制裁金科しが影響し下落。

アルファベットも生成AI戦略の出遅れ感から下落しました。

また、長期金利の上昇がハイテク株の売りを促進しています。

一方で、エヌビディアは堅調に推移し、時価総額でサウジアラムコを抜き世界第3位に浮上しました。

市場見通し

株価見通しと企業経営の変化

最近、多くの企業が自社の株を買い戻したり、他の会社と合併したりして、自社の価値を高めようと努力しています。このような動きは、企業がより効率的になり、投資家にとって魅力的な選択肢となることを目指しています。

東京証券取引所は、企業に対してより良い資本効率と株価への配慮を求めています。この影響で、多くの企業が自社株の買い戻しを行い、株価を押し上げる要因となっています。

また、自社株の買い戻しは、海外の投資家にも好評で、日本の株式市場への投資を促進しています。

デフレからインフレへの転換も大きな要因であり、この背景には人手不足による持続的な賃上げの必要性があります。

企業は価格戦略の適正化や雇用を代替する設備投資、M&Aなど、様々な改革を進めています。90年代には雇用、設備、債務の「3つの過剰」が存在しましたが、現在はそれらが「3つの過少」となっており、企業は現預金を活用してこれらを解消し、成長を目指しています。

こうした企業改革が定着すれば、海外投資家の買い越しも一過性ではなくなり、株価の4万円台持続も可能と見られています。

株価見通しと企業経営の変化

昨年の第3四半期の決算では、政策保有株の解消や自社株のM&Aなどが相次ぎ、企業改革が顕著に増えています。

この変化のきっかけの一つとして、東証が企業に対して資本効率や株価を意識した経営を要請したことが挙げられます。

この要請に応え、自社株買いを増やしている企業が昨年以降、目立っています。

自社株買いの実施は、相場を大幅に押し上げる一因となっており、自社株買いが常態化することで、海外投資家の買い越し増加と相場の大幅上昇という構図が形成されています。

為替見通しと日本の貿易収支

日本の為替と貿易収支には、特に注目が集まっています。為替レートがどのように変動しているか、そしてそれが日本の貿易収支にどのような影響を及ぼしているのかを見ていきましょう。

年初から、米国と日本の金利差の拡大による円安・ドル高の傾向が続いています。

しかし、この状況が日本の貿易収支に与える影響には変化が見られます。

1月の貿易収支は、2021年5月以来初めて黒字に転換しました。特にエネルギーを除いた貿易収支の改善が目立ち、リーマンショック以来の最大の黒字を記録しています。

この黒字転換は、円安が日本の対外収支に好影響を与え始めていることを示しています。

輸入と輸出の観点から見ると、1月の輸入数量の減少が貿易収支改善の大きな要因となりましたが、輸出物価の上昇傾向も貿易収支改善に寄与しています。

円安の後押しもあり、日本企業は輸出時の価格を引き上げることで、広域収支の改善を促しています。

これらの動きは、為替レートの変動が日本経済に与える影響を理解する上で非常に重要です。円安が続く中、日本の貿易収支がどのように変化していくのか、今後も注目が集まりそうです。

GDPマイナス成長と日銀政策

日本のGDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長を記録しました。これが、日本銀行(日銀)によるマイナス金利政策の解除にどのような影響を与えるかが議論の対象となっています。

特に、春闘(春の賃上げ交渉)の結果と合わせて、この問題はさらに注目されています。

直近のGDPデータでは、実質GDPが前期比でマイナス0.1%となり、これにより日銀の政策方向性に影響を与える可能性があります。GDPのマイナス成長は、経済が縮小していることを示しており、日銀が目指す経済の回復とは逆の方向です。

しかし、このデータが日銀のマイナス金利政策の解除に直接的な影響を与えるかどうかは、まだ不確かです。

楽天証券経済研究所の愛宕伸康氏は、GDPのマイナス成長が日銀の政策決定に重大な影響を与えるとは考えにくいと指摘しています。GDP成長率が潜在成長率とほぼ一致していることから、現在の経済状況が日本経済の実力を反映していると見ています。

つまり、日本経済が直面しているのは一時的な停滞ではなく、より根本的な成長の問題である可能性があるということです。

このような状況では、日銀がマイナス金利政策を解除するかどうかよりも、日本経済の潜在成長率をどのように引き上げるかがより重要な課題となります。

潜在成長率を向上させることができれば、経済の基盤が強化され、より持続的な成長が可能になります。これは、長期的には日銀の政策目標である安定した物価上昇率の達成にも寄与するでしょう。

2024年のアメリカ株の注目点

2024年のアメリカ株市場では、SAAに注目です。解説は、岩井コスモ証券の小川浩一郎氏

SAAとはつまりスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)、アーム・ホールディングス(ARM)、アップラビン(APP)の3銘柄の頭文字をとった造語です。これらはAI関連の銘柄として特に市場の注目度が高く、上昇率が高い銘柄です。

スーパー・マイクロ・コンピュータ

  • AIサーバーやストレージ、データセンターに必要なインフラを提供する会社。
  • エヌビディアから部品を仕入れ、製品にして販売。
  • 液体冷却システムを用いたデータセンターの冷却技術が強み。

アーム・ホールディングス

  • 半導体業界で低消費電力型の半導体設計技術を提供。
  • スマホ市場での圧倒的なシェアを持ち、AI向けの新技術開発にも注力。

アップラビン

  • 元はゲーム会社で、現在はモバイルソリューション、特に広告マーケティングソリューションを提供。
  • 新しい広告技術の開発で成功を収め、外部環境の変化にも強いビジネスモデルを構築。