モーサテ 3/6

主要ニュース

  • 米サービス業景況感の低下
  • ビットコインの最高値更新
  • 米ディスカウント大手の増収増益

米サービス業景況感の低下

アメリカのサービス業の景況感が2月のISM非製造業景気指数で前月より0.8ポイント低下し、52.6になったことが報告されました。市場予想を下回る結果となり、特に「事業活動」と「新規受注」は上昇したものの、「雇用」が2.5ポイント低下し、全体の重しとなりました。また、インフレの緩和傾向を示す「支払価格」も5.4ポイント低下しました​​。

ビットコインの最高値更新

ビットコインの価格が過去最高値を更新し、5日には6万9,000ドルを突破しました。この最高値更新は、2024年1月にビットコインの現物ETFが取引を開始したことなどが背景にあり、2021年11月以来、約2年4カ月ぶりのことです。ビットコインは、2022年の直近安値から約4.5倍に上昇しましたが、最高値更新後は価格が大幅に下落しました​​。

米ディスカウント大手の増収増益

アメリカのディスカウントストア大手であるターゲットの2023年11月から2024年1月期の決算が増収増益となりました。売上高と1株あたり利益が市場予想を上回り、ネット販売の改善によりオンラインを含む既存店売上高が予想ほど落ち込まなかったことが貢献しました。2025年1月期の通期では、既存店売上高が横ばいから2%増加すると見込まれています​​。

市場見通し

3月5日 NYマーケット

index前日値当日値変動値幅変動値幅%
ダウ38989.8338585.19-404.64-1.04%
ナスダック16207.515939.58-267.92-1.65%
S&P5005130.955078.65-52.30-1.02%

【為替見通し】日本株高でドル円は?

解説はシティグループ証券の高島修氏

日本株が高値を更新している現状において、ドル円の動きについて解説します。歴史を振り返ると、1970年代から1980年代にかけては日本の株価の上昇と円高が共存していましたが、1989年のバブル崩壊以降はこの関係があいまいになりました。2010年代に入ると、基本的に日本株高が円安、つまりドル円の上昇という形が定着し、日本株とドル円が正の関係にあります。

円安は日本株にとってポジティブな影響を与え、輸出が伸びることで企業の収益が改善します。ただし、日本株が高くなることで年金などの長期投資家が日本株を売って他の資産を買うことがあり、それが海外に流出すると円売りドル買いが発生し、ドル円を押し上げることがあります。

現在、日本株は高く、ドル円はどう動くかというと、円安が進みやすい状況ですが、今年の円安は日本株高に先行する形で進んでいます。今後は、昨年来の高値圏である152円前後を意識する必要がありますが、日本政府の介入の可能性も考慮しなければなりません。リスクオンの環境が続く限り、ドルの下値は限定的になると考えられます​​。

【株価展望】売りが枯れる個人投資家

解説は松井証券の窪田朋一郎氏

日本市場における個人投資家の動向は興味深い現象を示しています。伝統的に逆張りを好む日本の個人投資家たちは、日経平均株価が大きく上昇する局面で大量の売りを出していました。しかし、日経平均が史上最高値を更新するなどの局面では、その売りは大幅に減少しています。特に2023年2月、日経平均が大幅に上昇したにもかかわらず、個人投資家からの売りは919億円と小幅な売り越しに留まりました。

この現象の背後には、個人投資家の中にも信用取引を利用している経験豊富な投資家がいることが指摘されています。これらの投資家は、最近の上昇相場を「本物」と捉え、投資のアプローチを順応させているのです。また、NISA口座の消化率が低いことからも、個人投資家にはまだ買い付け力が十分に残っていることが分かります。3月1日時点で、成長投資枠では14.2%、積立投資枠では1.5%に留まっているため、市場にはさらなる上昇の余地があります。

しかし、過去に類似の状況が見られた2013年は、株価が大幅に上昇した後に「バーナンキショック」と呼ばれる急落を経験しています。このため、現在の市場環境においても、株価が上昇し続ける一方で、市場の急変には常に警戒する必要があるでしょう​​。

本日の特集

  • スーパーチューズデーの結果と影響
  • 中国成長目標の発表とその意味
  • 中小型株の逆襲可能性の分析

スーパーチューズデーの結果と影響

丸紅経済研究所の今村卓氏の解説

スーパーチューズデーは、アメリカで共和党内の15州で予備選挙が行われた日です。この日には、共和党の大統領候補としてトランプ氏が優勢であり、多くの代議員を獲得することが予想されました。

しかし、注目すべき点はトランプ氏の得票率に表れる共和党内の不協和音です。事前の世論調査ではトランプ氏が大差でリードしていましたが、実際の投票結果ではそのリードが縮まる傾向が見られ、この現象は共和党内における反トランプ派が一定の割合を占めていることを示唆しています。

さらに、これまでの共和党の予備選挙と比較して、トランプ氏が共和党の大統領候補に指名されても本選挙で投票しないという回答が一定割合に達していることが出口調査から明らかになりました。特にアイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州では、その割合が顕著です。

このことは、共和党の結束が以前ほど確実ではなく、大統領選における新たな課題を示しています。

ヘイリー氏はトランプ氏が共和党全国委員会(RNC)を私物化していると批判し、共和党として集めた資金がトランプ氏の法律問題の費用に使われているとの指摘もあり、共和党内の反トランプ派が勢いを増している可能性があります。

この動きは、トランプ氏の支持が減少している一因となり、今後の選挙戦においてトランプ氏にとって厳しい戦いになる可能性があります。

中国成長目標の発表とその意味

中国は2024年の経済成長率目標を5%前後に設定しましたが、「目標達成は容易ではない」との認識を示しています。経済成長を支えるために長期の特別国債を発行し、2024年の発行額は1兆元に上ると見込まれています。

また、台湾問題に関しては「台湾独立派と外部勢力の干渉に断固反対する」と述べ、アメリカなどをけん制しました。国防費は7.2%増の1兆6,655億元に拡大し、経済成長が鈍化する中でも軍事力強化を推し進める姿勢を鮮明にしています​​。

中小型株の逆襲可能性の分析

解説: いちよし経済研究所の張谷幸一氏

日経平均が4万円を超える中、大型株への集中的な投資が進んでいますが、中小型株は出遅れの状況にあります。2017年9月以降、中小型株は右肩下がりでアンダーパフォームしており、その背景には米中貿易摩擦やコロナによる先行きの不安や円安の影響があります。しかし、大型株がずっと上昇し続けることはなく、歴史を振り返ると中小型株が良い成績を収めてきた時期が長いため、中小型株の逆襲はあり得る話です。

逆襲の条件としては、業績回復が最も重要です。今年度は中小型株が5パーセント減益でしたが、来期は増益に転じ、大型株よりも高い増益率を見込むことができます。もう一つの条件は株価バリエーションです。PERを見ると、大型株と中小型株の格差があり、中小型株は出遅れと言えますが、この格差は長期的には大きなものではありません。最近はPBRにおいても、その格差が縮まってきており、これも逆襲の条件の一つになり得ます。

中小型株の逆襲が始まるかどうかは業績回復と株価バリエーションの改善にかかっており、これからが注目されます​​。