主要ニュース
- ECB 金利据え置き、物価見通し下方修正
- 米貿易赤字 2カ月連続拡大、モノの輸入増加で
- 物価目標「実現確度高まっている」、日銀総裁が発言
- NYCB 経営再建策で市場は反応、NY市場リポート
- サイバー関連株 決算明暗、クラウドストライク好調、パロアルトは失望
金融政策の最新動向
ECB金利政策の動向
ヨーロッパ中央銀行(ECB)は、最近の理事会で重要な決定を下しました。4会合連続での主要政策金利の据え置きが決定され、これによりECBの主要政策金利は4.5%、民間銀行が中央銀行に預ける際の中銀預金金利は4%に維持されます。
また、ECBは物価上昇率の見通しも下方修正しました。2024年が2.3%、2025年が2%という新たな予測は、先行きの経済成長とインフレ率の鈍化を示唆しています。しかし、賃金の上昇による物価上昇圧力は依然として強く、ECBはさらなるデータを必要としています。ラガルド総裁は「6月になれば多くのことがわかる」と述べ、市場はこれを6月の利下げ開始の可能性として解釈しています。
日銀の物価目標
日本銀行(日銀)の植田総裁は、物価上昇率を2%に安定させる目標について言及しました。
総裁は「実現する確度は引き続き高まっている」との見解を示し、日銀の長期にわたるデフレからの脱却と持続的な経済成長への取り組みを強調しました。
さらに、物価目標の実現が見通せる状況になれば、マイナス金利政策などの大規模緩和策の修正を検討していく方針を示しました。これは、日銀が将来の金融政策の方向性について柔軟性を持ちつつ、経済の持続的な成長を目指していることを示しています。
市場見通しと投資展望
【為替見通し】日本企業と個人の対外投資
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏
今日の予想レンジ147円の10銭から148円の90銭。
日本企業と個人による対外投資が増加している現在、これらの動きが為替市場に与える影響を解説していきます。植野大作氏の解説によれば、雇用統計の発表は市場予想より強ければドル高、弱ければドル安という素直な反応になると予想しています。
一月が上振れた後なので、今晩は下ぶれする可能性が高いとのこと。とはいえ、再来週にFOMCでの早期利下げ観測が復活するほど内容が悪くない限り、影響は限定的になるとの見込みです。
また、日本企業による対外投資の増加は、日本経済の海外利益の国内送金を減らし、円安圧力を生む可能性があります。
さらに、今年1月に導入された新NISA制度は、個人による対外投資の増加を促進しました。財務省の統計によると、特に投資信託を通じた対外投資は過去最高の1.2兆円にまで増加しています。
若い働き手による数十年計画に基づく老後資金の積み立てが海外にこれから向かって いく場合、アメリカが利下げしてもドル円の下値を支える一方、利上げ局面ではドル円の上昇を助長する追い風になるということが想定されます
株価動向
ニューヨーク市場では、半導体関連銘柄の動きが特に注目されています。AIへの期待を背景に、半導体銘柄が市場の上昇をけん引しています。
日本半導体銘柄の将来は、台湾株の動きに大きく影響されることが予想されます。台湾株は時価総額の約4割を世界最大の半導体製造企業が占めており、その市場動向が世界の半導体業界全体に大きな影響を与えるためです。
投機筋は、半導体売り上げがさらに上振れるか否かを観測しつつ、半導体銘柄を買い増す必要性を精査する姿勢にシフトする見込みです。
特に、米中の技術派遣競争をめぐってサプライチェーン再構築行動などが増加いたしますと、 台湾株を筆頭に半導体銘柄はリスクに備えたヘッジ目的の買いなどから価格が高騰しやすく、 不規則が値動きが逼迫する点にここから留意していきたいです。
サイバーセキュリティ株の動向
サイバーセキュリティ業界では、クラウドストライクとパロアルト・ネットワークスという二つの大手が異なる決算結果を発表し、業界の明暗を分けました。クラウドストライクは市場予想を上回る業績を発表し、株価は大きく上昇しました。
特にサブスクリプションサービスが好調で、売上高が30パーセント以上増加しました。さらに、同社は2030年までに経常売上高が100億ドルに達すると予測しており、その主要サービス「ファルコン」は、様々なセキュリティツールを一つのプラットフォームで提供することが支持されています。
これに対し、パロアルトは売上高見通しの下方修正を発表し、市場の失望を買いました。パロアルトは、クラウドストライクのようにプラットフォーム化を積極的に推進し、顧客が投資に対して最大限の効果を得られるよう取り組んでいますが、この戦略の成果が今後の業績にどのように影響するかは未だ不透明です。
AIを活用したサイバー攻撃の増加に伴い、サイバーセキュリティへの需要は今後も高まることが予想されますが、この決算期においてはクラウドストライクが競争上の優位性を確立しています。