TOPニュース
- グーグルの新サービス「Google.Vids」
・6月から一部ユーザーに提供開始。
・生成AIを用いて、文章指示に基づく動画作成サービス。
・動画・画像・BGMを組み合わせ、ナレーション追加も可能。
・研修動画やPR動画などの用途を想定。 - 米中小企業の景況感低下
・NFIBが楽観指数を発表、2012年12月以来の低水準(88.5)。
・「売上高見通し」「採用計画」などが低下。
・最大の課題は「インフレ」との回答が25%で増加。 - マイクロソフトの日本への投資
・日本でのデータセンター拡張などに29億ドル(約4400億円)投資、過去最高額。
・ChatGPTなどのAI開発で日本政府や大学のサポートを要望。
・日本語の精度向上には日本文化反映コンテンツへのアクセスが重要。
ニュース解説記事
まず、グーグルが提供を予定している「Google.Vids」は、文章から動画を作成する革新的なサービスです。ユーザーは単に文章で指示を出すだけで、AIがその指示に従って動画を自動生成します。
これにより、企業は新入社員研修や新製品のプロモーションなど、さまざまな目的で高品質の動画コンテンツを手軽に作成できるようになります。
生成AIの活用により、これまでにないほど簡単かつ迅速に動画コンテンツを生み出せることが期待されています。
NFIBが発表した楽観指数の低下は、売上高の見通しや採用計画などが後退していることを示しており、特にインフレが主要な課題として浮上しています。
最後に、マイクロソフトによる日本への大規模な投資は、AI技術の発展における国際協力の重要性を浮き彫りにしています。
この投資は、日本におけるデータセンターの拡張と、ChatGPTなどのAI技術のさらなる発展を目指すものです。特に、日本語での応答精度の向上を目指し、日本文化を反映したコンテンツへのアクセスが重要視されています。
【NY市場リポート】米CPIコア指数は減速か
解説は野村グループの藤井摩耶氏
先日のニューヨーク株式市場は方向感に乏しく、S&P500は前日比ほぼ変わらずの水準で取引を終えました。市場参加者の関心は、10日に発表される3月の消費者物価指数(CPI)に集まっているようです。
藤井氏によると、コアCPIは前月比+0.275%と、前回から伸び率が鈍化すると見込んでいるとのこと。一方、食品とエネルギーを除くコアCPI(CPIコア指数)は同+0.395%になると予想しています。
仮に予想通りの結果となれば、FRB(連邦準備制度理事会)が6月に利下げを実施する可能性は残るものの、金融引き締めと緩和の確率は「五分五分」になるだろうと藤井氏は指摘しました。
ちなみに野村グループでは、利下げ開始時期を7月と予想。その後は12月を含め、年2回のペースで利下げが進むというのが社内見通しとなっています。
センチメント弱気に…背景は?
一方、藤井氏は足元の相場について、「投資家心理が弱気にシフトし始めている」と指摘します。
その判断材料の1つが、S&P500の3ヵ月物オプション市場で見られる「スキュー」の動きです。スキューとは、プットオプション(下落に備えた売る権利)とコールオプション(上昇に備えた買う権利)の価格差を示す指標のこと。
藤井氏によれば、これまでは「株価上昇に乗り遅れまい」と必死にコールを買う投資家の姿が目立っていたそうです。しかし足元では、小売企業の決算内容などを受けて消費への懸念が広がり、投資家心理が悪化。スキューが上昇しているのだとか。
投資家心理の変化は、別の指標からも見て取れます。投資家の恐怖心理を示す「VIX指数」は昨年12月を底に、じわりと上昇を続けているのだそうです。
こうした心理の悪化が、今後の相場にどう影響するのか。藤井氏は「一段安の可能性がある」と警鐘を鳴らします。
VIXの上昇によって、ボラティリティ(相場の変動率)をコントロールする戦略をとる投資家のポジションが崩され、「売りが売りを呼ぶ」展開になりかねないというのです。
いかがでしたか? 今回のレポートでは、いま市場が注目するCPIと、投資家心理の変化について解説しました。
物価動向と金融政策を占う上で欠かせない経済指標の1つであるCPI。その動向とともに、投資家心理の変化にも目が離せません。今後の相場を読み解くカギを握る2つの要素。動向を引き続きウォッチしていきたいと思います。
【為替見通し】令和の円売り定着 ドル円上振れリスク
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏
- ドル円予想レンジ:150.70~152円
- 注目ポイント:コロナ収束後の為替需給
本日の最大の注目材料は米国の消費者物価指数(CPI)です。市場予想を上回る結果となれば円安ドル高に、下回れば円高ドル安に振れると予想されます。ただし、上振れした場合は日本の財務省による為替介入への警戒感が付きまとうため、下振れしたときの反応の方が強くなるかもしれません。
さて、今日のポイントは「コロナ収束後の為替需給」です。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏によると、金利差に左右されない根本的な需給は円売りの方が多くなっているとのこと。その理由は以下の通りです。
1. 貿易収支
・日本は輸入のドル決済比率が高く、通貨別の収支ではドル決済の赤字が円決済の黒字を12兆円近く上回っている
・実需では明らかにドルが不足している
2. サービス収支
・インバウンド復活で旅行収支の黒字は増えているが、在宅勤務の広がりでネットインフラ利用料のアメリカ企業への支払いが増加
・その他サービスの赤字が旅行収支の黒字を上回っている
・輸送収支も赤字だが、ドル比率が高いためサービス収支全体ではドル買いの影響が大きい
3. 直接投資・証券投資
・コロナ禍で減少した日本企業の海外投資が過去1年で史上最高を更新
・日本企業の海外投資増加は、目に見えない円売り圧力になったり、海外利益の国内還流が減ったりと、ドル高円安方向に働く
・証券投資は過去4年平均の約3倍の1兆円以上に急増
以上から、植野氏は「令和の時代は、金利差と関係なく動く企業・個人の為替フローは、円売り超過が定着している」と指摘します。
今後のドル円については、米国の利下げ開始でドル円は1割程度下落する可能性はあるものの、それまでは上振れリスクの方が強いと植野氏。日本政府の為替介入水準を試すような「肝試し相場」が続く可能性があるそうです。
ドル円の予想レンジは150.70~152円。金利差だけでなく、貿易・サービス収支や投資の動向など、様々な角度から為替を見ていく必要がありそうです。日本の財務省が為替介入に踏み切るかどうかも、引き続き注目ポイントとなりそうです。
【株価見通し】日銀の追加利上げで変わる株式市場の地合い
解説は松井証券の窪田朋一郎氏
- 日経平均予想レンジ:39,250~39,750円
- 注目ポイント:日銀の追加利上げと個人投資家への影響
昨日の米国市場は、3月の消費者物価指数(CPI)発表を控え、慎重な値動きとなりました。本日の東京市場は値下がりしてスタートすると予想されますが、その後は方向感の定まりにくい展開になりそうです。
さて、今日の注目ポイントは「日銀の追加利上げと個人投資家への影響」です。松井証券の窪田朋一郎氏は、原油価格の上昇を背景にインフレ懸念が高まる中、日銀が現在の緩和的な金融政策を維持していることから円安傾向が続いていると指摘。
市場では日銀が追加利上げに踏み切るのではないかとの観測が出ているそうです。
前回のマイナス金利撤回時は株式市場への影響は限定的でしたが、今回は個人投資家への影響が大きくなると窪田氏は予想します。その理由は、信用取引の買い方金利が引き上げられる可能性が高いためだといいます。
日銀の政策金利引き上げに伴い、貸借取引の融資金利が上昇すれば、証券会社も信用取引の買い方金利を引き上げる可能性が高くなります。つまり、信用取引で株を買うコストが増すわけです。
一方、信用取引の売り方は有利になります。現在、多くの証券会社が貸株料を0%に設定していますが、追加利上げによってこれが復活し、売り方は金利を受け取れるようになるのです。
こうした変化は、株式市場の需給にも影響を及ぼしそうです。足元で2007年以来の高水準となっている信用買い残高は、すぐに返済に動くわけではないでしょう。
しかし、買い方のコスト増と売り方のコスト減により、個人投資家の投資行動は徐々に変化していくと窪田氏は予想しています。特に、個人投資家の売買シェアが高い中小型株の値動きには影響が出るかもしれません。
野党優勢の韓国総選挙 日本への影響は?【プロの眼】
解説は伊藤忠総研の武田淳氏。
サマリー
- 韓国総選挙が4月10日に投開票。与党の国民の力は114議席で過半数に届かず、野党の共に民主党が156議席を持つねじれ状態。
- 与党が再び過半数を取れなければユン大統領の政権運営が難しくなり、次期大統領選で不利になる可能性も。
重要ポイント
- 与党支持が伸び悩む要因は、ユン大統領の不人気。経済・国民生活・物価への不満が高い。
- 景気は停滞気味だが、半導体サイクルの底入れで輸出主導の回復兆し。しかし消費者物価は高止まりで実質賃金は伸びず。
- 与党敗北の場合、議会での対ユン大統領攻撃が強まり、日韓関係改善への批判も高まる恐れ。インバウンドや日本製品販売への影響も懸念。
- 一方、外交は大統領権限で議会の影響を受けにくく、親日方針は継続の見通し。日韓は相互補完関係にあり、産業間協調は選挙結果に左右されない見方。
注目ポイント
- 与党敗北なら対日批判も高まる?インバウンドや日本製品販売への影響は?
- 日韓経済は相互補完関係。産業間協調は選挙結果に左右されず?
韓国総選挙の行方は、日本にも少なからず影響を及ぼしそうです。近隣国の政治動向から目が離せません。日韓関係の改善が両国の利益につながることを韓国の有権者にアピールできるかがカギを握ります。選挙結果を見守りましょう。
2024年知っておくべき東証施策【深読みリサーチ】
ゲストは、大和総研政策調査部 主任研究員の神尾篤史氏。
東証の注目施策
- PBR改革 – 資本コストを意識した経営
- TOPIXの選定ルールの見直し
PBR改革の現状
- プライム市場の開示率: 59% (2月末時点)
- スタンダード市場の開示率: 22% (2月末時点)
- 時価総額が大きく、PBRが低い会社ほど開示率が高い傾向
業種別のPBR
- 低いPBR: 銀行 (0.5倍)、パルプ・紙 (0.7倍)
- 高いPBR: 情報通信業 (2.5倍)、サービス業 (2.1倍)
今後の見通し
- 東証の要請により、開示率は上昇する見込み
- アクティビストや機関投資家のプレッシャーも高まる可能性
- 一部の機関投資家は、PBRや自己資本利益率(ROE)を基準に、社長再任に反対する方針を打ち出している
TOPIXの選定ルール見直し
第1局面 (2025年1月末まで)
- 流通株式時価総額100億円未満の銘柄を除外
- 最終的に約1,700社に絞り込まれる見通し
第2局面 (条件は今年中に決定予定)
- TOPIX構成銘柄の入れ替えを検討
- スタンダード・グロース市場の新規上場銘柄の追加や、構成銘柄数の上限設定などが議論される見込み
第2局面に関する有識者の意見
- 構成銘柄数を400~500に絞る
- 流動性を考慮した選定基準の導入
- 大幅な変更は避けるべき (継続性重視)
- 上場制度自体の見直しによる底上げ
神尾氏の見解
- 銘柄数の大幅な絞り込みや入れ替えがあれば、上場会社の企業価値向上に向けた行動がより強く促される可能性がある